文和春秋

主に歴史や本についての徒然語り

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

始皇帝への評価に対し感じる、違和感について

世間的に高く評価されているが、自分では今一つピンと来ない。 そんな事は誰しもあることだと思うのですが、私にとってその代表例はと言えば、やはり始皇帝になるかと思います。 戦国七雄の争いを征し、初めて天下を統一した。 皇帝制・郡県制など、二千年に…

「義経の悲劇」の原因  ~彼の常識と意識について~

源義経というと、一般的には「大功を立てながら兄に疎まれ、悲劇的な最期を遂げた英雄」といった印象を持たれている様に思うのですが、私としてはその印象、ことに「悲劇的」の部分が引っかかってなりません。 それこそ鎌倉で「武士の自立」という命題を果た…

源義経の軍事的才能についての一考察

源義経という人物はどう評価すれば良いのか? 昔は「政治的センスは皆無の戦の天才」という評価で良いだろう、と特に悩むことも無かったのですが、数年前に「平家物語」(講談社学術文庫)を読んだのを切っ掛けに、軍事面についてもあらためて考えるようにな…

面白い古典としての論語一読の勧め

私は中国の古典が好きで、訳本ではありますが結構色々と読んでいるのですが、それらの中で好きなものの一つに「論語」があります。 全文を読んだ事があるかはともかく、その一部分や名前すら知らない、という方はそういないと思うのですが、それだけ名高く身…

ローマ皇帝から考える大帝称号の「資格」と「価値」

西洋史を見ていると、時折「大帝」「大王」といった尊称で呼ばれる君主が出てきますが、その時にいつも思う事の一つに、あれはどういう基準で付けられているのか、という事があります。 この件について、少なくとも私の知っている範囲では解説している本等を…

光厳天皇除外考 ~事実と個人の妄想、何れが重きか~

昨日「南朝正統扱い」についての意見を述べましたが、この件にも関連する大きな不満事項として、特に光厳天皇の扱いについて記してみようと思います。 後醍醐天皇挙兵の後に疑いの余地なく即位し、間違いなく本物の三種の神器も持っていたかの天皇が、何故歴…

今に生きる「南朝正統扱い」への疑義

来年に決まった即位の儀を控え、時折歴代天皇等の事も話題に挙がる昨今。 「上皇后」等の妙な造語も無論気にかかるのですが、私が聞くたびにもやっとした気分になるのは、何といっても「125代」という言葉になります。 そう、一体いつまで「南朝正統扱い」に…

開設の辞

歴史という底なし沼にはまってはや幾年。 様々な事物に対し、色々思ったり考えたりする事はあれど、基本的には自己の中での思考に終始することが多かったのですが、ふと脳内の整理も兼ねてそれらを徒然に記してみようかと思い立ち、今回の開設に至りました。…